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ウサ耳の間に白鳩がちょこんと座る。
それを皆が注目しながら話し込む。
「つまり、ペン・ギンは負の力から守る結界みたいなものか。」
ユーチャが腕組みをしながら結論を出すと、ペン・ギンは不思議そうに首を傾げた。
頭の上でポッポがずり落ちそうになってバタバタと羽を動かす。
「本人に自覚がないのはまあ…あれだが…ペン・ギンの傍に居れば、この子は大丈夫なんだろう?」
落ちそうになるポッポに手を差し伸べながら、ユーチャはカラシュに目を向けた。
頷いてカラシュが肯定の言葉を発する。
「魔王は…意外とこういう嘘はつかない…多分そうなのだろうと思う…。」
「ふむ」とユーチャは納得の意を示し、今度はペン・ギンに目を向けた。
頭の上のポッポは相変わらず不思議そうな顔で状況が読めていないようだった。
「とりあえず、ペン・ギン。お前にその子を任せるからな。」
「ハイ!なのクマ。」
カラシュがジトッと道化師を見遣る。
信用ならないとでも言いたげだったが、どうしようもない。
「さて、あまりゆっくりしていると日が暮れてしまう。行こうか。」
「私、もう今日は野宿いや〜!」
「だったら早いところこの森を抜けてしまおう。次の町まではどれほどかは分からないが…。」
「クマがこの前、地図燃やしちゃったからいけないのよ!」
「え〜、クマ悪くないクマ〜。遊んでたら燃えたクマよ〜。」
「遊びで賢者級の火炎魔法を出さんでくれ……。」
勇者一行は旅の先を見据えて歩きはじめた。
カラシュは足が地面に貼り付いた様に動けない。
早く自分も魔王の元へ戻らなくてはいけない。
心無しか左胸にある死の契約の証が疼いた気がした。
「クルッポ〜」
鳴き声に俯いていた顔を上げた。
白鳩がこちらを見ていた。
「クルッポ〜」
もう一鳴きすると白鳩は可愛らしく羽ばたく。
トンッと地に足をつけた時には、色白の可愛らしい娘の姿に変わっていた。
「シルバ。」
………。
別れるのにはいい機会なのかもしれない。
そんな思いが頭を過った。
ただじっと可愛い赤い瞳を見返す事しか出来ないでいた。
「何をしている?」
気がつけば彼女の傍に勇者が佇む。
こちらを見ながらいつもと変わらない調子でその人は言った。
「早く来ないと置いて行くぞ、カラシュ。」
思わず目を見開いた。
カラシュは暫し言われた言葉を頭の中で反芻していた。
無意識に左胸を押さえた。
「♪早くしないと皆で楽しい野宿仲間〜♪クマ!」
「ちょっと縁起でもない歌やめてよね!」
「野宿楽しいクマよね〜♪カラシュも今日から野宿仲間クマよ〜♪」
「うるさいわよ馬鹿クマ!カラシュ!あんたこの辺詳しくないの?野宿じゃない手段教えなさいよ!」
いいのかな………。
いいのかな………俺、あんた達と一緒に行っても……
ポッポと一緒に行っても……
離れたくないんだ。
あの白い羽と共にありたい。
「カラシュ、早く!」
迷いも何もかも吹き飛ばす様なユーチャの声に、やっと足を動かした。
カラシュは数歩だけ歩くと、バサリと力強く羽ばたく。
低空で軽やかに進むと、パタパタと白い翼が横に並んだ。
横目で見遣ると、微笑む笑顔が見えた。
胸は少し痛いけれど、心は軽い。
「この森を北西に抜けると町がある!あんたらの足で…頑張って2時間!日の入りと競争だ!急げよ!」
マニョの「え〜〜〜!」と言う声と共に勇者一行は足早に旅路をまた進みはじめた。
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それを皆が注目しながら話し込む。
「つまり、ペン・ギンは負の力から守る結界みたいなものか。」
ユーチャが腕組みをしながら結論を出すと、ペン・ギンは不思議そうに首を傾げた。
頭の上でポッポがずり落ちそうになってバタバタと羽を動かす。
「本人に自覚がないのはまあ…あれだが…ペン・ギンの傍に居れば、この子は大丈夫なんだろう?」
落ちそうになるポッポに手を差し伸べながら、ユーチャはカラシュに目を向けた。
頷いてカラシュが肯定の言葉を発する。
「魔王は…意外とこういう嘘はつかない…多分そうなのだろうと思う…。」
「ふむ」とユーチャは納得の意を示し、今度はペン・ギンに目を向けた。
頭の上のポッポは相変わらず不思議そうな顔で状況が読めていないようだった。
「とりあえず、ペン・ギン。お前にその子を任せるからな。」
「ハイ!なのクマ。」
カラシュがジトッと道化師を見遣る。
信用ならないとでも言いたげだったが、どうしようもない。
「さて、あまりゆっくりしていると日が暮れてしまう。行こうか。」
「私、もう今日は野宿いや〜!」
「だったら早いところこの森を抜けてしまおう。次の町まではどれほどかは分からないが…。」
「クマがこの前、地図燃やしちゃったからいけないのよ!」
「え〜、クマ悪くないクマ〜。遊んでたら燃えたクマよ〜。」
「遊びで賢者級の火炎魔法を出さんでくれ……。」
勇者一行は旅の先を見据えて歩きはじめた。
カラシュは足が地面に貼り付いた様に動けない。
早く自分も魔王の元へ戻らなくてはいけない。
心無しか左胸にある死の契約の証が疼いた気がした。
「クルッポ〜」
鳴き声に俯いていた顔を上げた。
白鳩がこちらを見ていた。
「クルッポ〜」
もう一鳴きすると白鳩は可愛らしく羽ばたく。
トンッと地に足をつけた時には、色白の可愛らしい娘の姿に変わっていた。
「シルバ。」
………。
別れるのにはいい機会なのかもしれない。
そんな思いが頭を過った。
ただじっと可愛い赤い瞳を見返す事しか出来ないでいた。
「何をしている?」
気がつけば彼女の傍に勇者が佇む。
こちらを見ながらいつもと変わらない調子でその人は言った。
「早く来ないと置いて行くぞ、カラシュ。」
思わず目を見開いた。
カラシュは暫し言われた言葉を頭の中で反芻していた。
無意識に左胸を押さえた。
「♪早くしないと皆で楽しい野宿仲間〜♪クマ!」
「ちょっと縁起でもない歌やめてよね!」
「野宿楽しいクマよね〜♪カラシュも今日から野宿仲間クマよ〜♪」
「うるさいわよ馬鹿クマ!カラシュ!あんたこの辺詳しくないの?野宿じゃない手段教えなさいよ!」
いいのかな………。
いいのかな………俺、あんた達と一緒に行っても……
ポッポと一緒に行っても……
離れたくないんだ。
あの白い羽と共にありたい。
「カラシュ、早く!」
迷いも何もかも吹き飛ばす様なユーチャの声に、やっと足を動かした。
カラシュは数歩だけ歩くと、バサリと力強く羽ばたく。
低空で軽やかに進むと、パタパタと白い翼が横に並んだ。
横目で見遣ると、微笑む笑顔が見えた。
胸は少し痛いけれど、心は軽い。
「この森を北西に抜けると町がある!あんたらの足で…頑張って2時間!日の入りと競争だ!急げよ!」
マニョの「え〜〜〜!」と言う声と共に勇者一行は足早に旅路をまた進みはじめた。
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第7弾っと……
暫くご無沙汰しておりましたカラシュ話。
終わりにしても良さげですが、まだ続く…。
改めて、鳩の鳴き声って間抜けにしかならない……と思った。
クルッポ〜。
暫くご無沙汰しておりましたカラシュ話。
終わりにしても良さげですが、まだ続く…。
改めて、鳩の鳴き声って間抜けにしかならない……と思った。
クルッポ〜。
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