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心の赴くままに言葉を綴る、おかしな創作の空間
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ゆっくりと目が開いた。
真っ赤な瞳がじっと天井を見つめ、数回パチパチと瞬きをする。

カラシュは相変わらずじっとその様子を見つめていた。
まるで何か金縛りの暗示でもかけられた様に体が動かない。

そんなカラシュとは対照的にポッポはもぞもぞと動き上体を起こした。
白い可愛らしい羽を数回はためかせる。
まるで何処なのだろうと確認するように、首をひねりひねり部屋を見渡した。

部屋の隅の黒い瞳と、赤い瞳の視線がぶつかった。
動かせなかった体が衝撃を受けたかの様にビクッと震えた。
そんな様子をポッポがじっと見つめる。

そして、フワリと笑顔がこぼれた。
カラシュの目が見開かれる。

何故微笑む?

彼女の反応の理解に苦しむ。
以前はあんなに怯えた瞳を向けてきたのに……。
答えを見いだせない戸惑いの視線が彼女を見つめる。
その先で、より一層優しい笑みを浮かべ、柔らかな弾む声が紡がれた。

「シルバ、生きてた。シルバ!」

嬉しそうに言って身を乗り出したポッポがバランスを崩しベッドから落ちそうになる。
先程までの硬直が嘘の様に、地を蹴ったカラシュが一羽ばたきであっという間に彼女を支えた。
しっかりと縋り付きながら、ポッポが笑顔を向けてくる。
信じられないものを見る様な驚きと苦しみが混じった表情で見つめ返す。

「シルバ!シルバ!」

迷いのない声でカラシュを呼ぶ。
思い出された、白い羽の男。
彼女にはこの黒い羽が真っ白に見えるというのか!?
バサリッ、翼を高々と広げ上げる。

「あの野郎……これが………。」

これが魔法の正体。
「私はずっと一緒にいるよ」と、そう言ったあの男の放った最後の魔法。
急激に苛立ちがわいてくる。
グッと歯を噛み締め、もういない男への怒りを露にして空を睨む。
不安げな瞳が見上げてきた。

「シルバ?シルバ、痛い?どこか痛い?苦しい?」

視線をまた下げる。
赤い瞳が少し潤んでいる様に見えた。

違う!俺は、あんな白い男じゃない!!

そう怒鳴ろうとしたが声は出なかった。
「シルバ、シルバ!」と必死に縋る様子に声が出なかった。


きっとこれも魔法だ。
彼女には俺が白く見えて…
俺には彼女が…


きっとこれは魔法なんだろう?


優しく愛おしそうに白い髪を撫でた。
ぎこちない笑みが口元に浮かぶ。

「何も心配いらないよ……ポッポ……俺はここにいるから……」

また彼女に笑みが戻る。


これはきっと魔法なんだ。

彼女の笑みが、こんなに…愛おしい……




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第4弾っと………

戸惑いのカラシュ○歳…………初恋の予感、キャv

くっさ!! くっさ、くさっ、くっさぁ!!

悶え死ぬよ、いろんな意味で……カラシュったらもう!
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(C) 君が見ていた夢物語 / 総八
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